波切が行く

6月1日 16:00

 何を忘れたか分らない程多く忘れ物をして、慌ただしく出航。  見送りのヒンクリー一行と別れ、一路潮岬コース220度に船首をとる  東風と黒潮の反流に押され、1:00には紀伊水道に向け北上した  熊野灘沿岸は常時0.5〜1ktの南西流があるようだ。  諸事情にて、和歌山マリーナシティで3泊を予定していましたが、  風も良く、朝方通過しより利便性の良い須磨ヨットハーバーに変え、15:00接岸  180マイル23時間。波切の快速にビールで感謝。  翌日、臨時係留費を聞いて、超ビックリ。  1泊22,000円ほどでシャワーなし。  二度と来ないでください料金を3泊分支払い、軽くなった財布と共に帰船。  国交省認可の海の駅構想、無料の処もあれば、法外な処ある。  こんなに統一性がなく、サービス内容に差があるのって、おかしくありませんか?


6月5日

 昼前から雨の予想の中、カッパ支度で二度と来ないでくださいマリーナを後に  うどん県に向け、メインセールをアップ。  高松の海の駅 市民ヨットハーバーは水深が浅い、、波切の喫水3.2mがいかがなものか?  ヨット仲間が志度湾 牟礼港を提案。本降り前に砂利船岸壁接岸。  幾度もハンドレッドを手にし、心配しながらうどんのはしごに向かいました。
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6月6日

 昨夜の土砂降りも暗いうちに上がり、ホッとする間もなく今度は予想通りの西風がきた。  瀬戸内の風は西か東。従って、西行きのコースは真登りか真追って  だからどうしてもエンジンと潮頼りになります。  アビームがないのでセーリング大好き人間にはツマラナイ、、、  それでも、チャートを見ながらの地文航法は楽しい.あの山がこれ、あの島がこれ、  などと言っているとワッチがあっと言う間に終わる。波切のチャートは20枚程メインキャビン  天上、コンパニオンウェイから下りて直ぐ上にあり、何時も全紙状態で見れる。  丸めたり、折ったりするのは良くない。50ftの成せるワザかも? 今日は大崎下島まで  クルーは爺さんばかりなので、GPSプロッターを見ないで地形を見ての航海もさらに楽しい。


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6月7日

 05:00 大崎下島のフェリー桟橋。舫を解いて大分県 姫島に船首をとる。距離70マイル  波切は行程が50マイル以上で5時出航、50マイル未満は6時と決めている。  毎朝、入れたてのコーヒーは出航の緊張を和らいでくれる。ちょっとした事ですが  狭いなかでは重要な気がする。  昔、野本謙作先生から瀬戸内の順潮 順潮 ツレツレ航法の教えを伺った。今日も  当てにならない風より、潮をたよりにラットを握る。


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6月8日

岸壁接岸の際、どの場所を選択するか? 波切は先ずは水深、利便性そして風向風力。 岸壁に寄せられる風か,離れる風か入港時良くても翌朝逆になる事もままある。 この朝は10mの寄せられる風にあがった。梅雨時なのでそんなに上がらないと甘く観たのの しっぺ返しだ、さあー!どうやって出る! 昨夜居酒屋同伴した隣のスイスヨット、マーキ船長が お手並み拝見とばかり コックピットで見ている。 やはり上アンカーも打っていないのて、教科書通りのバウスブリングのバウフェンダーを 試みた。ハードボート,フルアヘッド!中々スターンが岸壁から離れない。 風がラルつたところで、思い切って フルアスターン! バウバルビットを少しこすっただけで 波切は港の中央までアスターン出来た。 観たか!日本人セーラーの腕前を! 右手親指を上げて、マーキ船長はびっくりニコニコ、波切を見送ってくれた。 目指すは関門海峡を抜けて下関漁港、45マイル。


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6月9日

下関漁港から対馬厳原まで85マイル。昼間の航海だけでは無理なので、まだ暗い04:30に 舫を解いた。昨夜の雨が上がり玄海灘に向けメインセールをアッブ! 雨上がりなので、西風を覚悟していたがクルーの行いが良いのかも、北風 アビーム機帆走 14:30に入港して税関に出国手続き赴いた。


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6月10日

昨日は着岸と同時に、税関に行かなくとも、海上保安官及び税関の方から8名も来てくれた、 革靴での乗船を否定したところ、心良く靴を脱いで乗船、波切大王の戦歴を紹介しても、 チンブンカンプン,それもそのはず波切大王がメルサカで勝った25年前は彼らは まだ赤ちゃんだったかも?。 ソーラス条約なる国際法があり、外国船が最初に到着する24時間前までに細い内容の 報告をしなければならない。コマーシャルボートならいざ知らず、旅のヨットが洋上 からどうやってFax出来るのか、ブレジャーボードは適用除外して頂きたいところだ。 帰国時のソーラス報告書を書きながら、万関瀬戸の情報を聴いたところ、橋の高さも 水深も詳しくない。止めた方がいいばかり。ヨットの旅は半分は冒険的な所もある。 その昔、アドミラルカップで嵐の為、多くのヨットマン死んだとき、救助に当たった 英国海軍は今後もこのレースの継続を示唆した。 人類の冒険心が安全という言葉に疎外されてはいけないと思う。 さあーいよいよ、釜山だー! スビンを上げてGO??と言いたいが無風なので、仕方なく スロットルを上げた。



6月11日

海上保安官の曖昧な忠告にもめげず、波切は万関瀬戸の橋の下を超スローで通過した。 一度は行って観たかった浅生湾。潮の流れの早い中アンカーリングで朝食を楽しむ。 波切の朝食は何時もほっかほかのご飯、玉子かけや海苔で簡単で前夜の呑み過ぎの胃には 食欲が出て調度良い。更に良いのは、ゴミゼロ! クルージングで困るのは、大量に出るゴミのく始末。ゴミ袋を持って町の中をウロウロする のは頂けない。炊飯器でコシヒカリの無洗米はおかずが無くても最高だ。 16:00 釜山港 ヘウンデーの80階建の高層ビル群の下に有るヨットハーバーに到着、 待ち受けた入管、税関を済ませ入国へとタクシーで向かった。 波切は対馬で知り合いの韓国人セーラーを乗って頂き、入管、税関との連絡を密にして いた。これをしないと洋上で一日二日待ち続ける事になる。


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6月14日
4日間の韓国人セーラーとの交流を終え、波切は霧の釜山港を出航した。80階の摩天楼が 霧間に見え隠れし、韓国経済、社会の異様を感じた。 日本の入国審査のため再び対馬、厳原に向け、メインセールを上げた。 釜山から対馬までの航路はたくさんの中国やロシアのコンテナ船と交差する針路となる 方位が変わらず、衝突の関係なら、海上衝突予防法に関係なく迷わず波切が回避した。 こちらが小さいから逃げるのなく、本船のワッチ、航海士を全く信用してない。 何故なら、昔、遠洋カツオマグロ船の船長だった頃、自分のワッチは昼は読書、夜は 居眠りがままあった。こめんなさい! 36計逃げるにしかず。


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6月15日
昨日対馬にて入国審査終了。 当初、航海プランでは九州の南を周って海遊人マリーナ帰港の予定でしたが、いささか 爺さん達の身体ぼろぼろ、冒険心をあおる気力も無く、すんなり風の無い瀬戸内航路に 全員一致。 24日の帰港目指して,島巡り、各島で金を落として、ゴミ落とさず。 波切のエンジン 4JH-HTEは28年目の高齢、これまで、よくぞ頑張ってくれた。 感謝、感謝!と純正オイルを充填し、チェックした。 同じく、ハルやマストも大きな問題はなかった。 帰ったら、またのロングクルーズに向かい可愛がってあげよう。

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